2010年07月22日

食品製造業の危機管理

 食品業界は大変厳しい競争社会です。価格・品質・納期は絶対外せません。
神経使うことがいっぱいあります。 そこで本日は納期(納品期日)について書いてみます。
 20年くらい昔はのんびりとしてまして、「近くへ来たら寄って下さい」みたいな感じで、2・3日納品が遅れても大したこと無かったのですが、昨今は「トヨタカンバン方式」並みになりまして、今日の注文は今日出荷・明日納品が当たり前になりまして、つねに受注に追いまくられます。商品の種類が増えると欠品の可能性が増えるため、小口の多品種生産が欠かせません。さらに増して設備機械の故障はまさに
命取りにもなりかねません。昨年ラムネ設備の増強(2ライン化)も増産のためよりも、危機管理の一貫で、代替設備の整備のためです。実際8月の盛夏に故障・納期遅れ・大クレームの連鎖が過去には有り、
キリキリ胃の痛い思いをしました。

 ただし現実には故障は結構起きます。一昨日も蒟蒻設備トラブル4連発でした。
その①蒟蒻のを包装する機械が突然動かなくなり、約30分の修理の後再起動に成功 ほっとする間もな   く、続けて20分後
その②同じトラブルが再発。治ったと思った部品がたまたま動いただけで交換の必要有りと判明
   たまたま手持ちの部品があり25分の停止で何とか再起動 息つく暇もなく 恐怖の3断て
その③包装機に賞味期限を印字する「印字機」が停止していることが判明
   印字不良品を回収し(当然まだ出荷してません)印字機メーカーに確認の電話。これまた日ごろの
   信心の賜か予備部品に救われて40分後に再起動 この段階で2時間近く製造が押しており、
   予定数量の生産を断念、生産品種の選定に移行しており、すっかりパニック状態。
   3時過ぎても昼食食べてません。
その④信心が足りなかったのか印字機の予備部品にトラブル発生。温度調整が不調で、フイルムに穴が開   くトラブル発生。いよいよ正念場かと思いきや、ここで二枚腰の粘り、印字機の不調に備えて
   「インクジェットプリンター」を購入しており、(業務用で140万円もします)大急ぎでセッチ   ングこれまた40分遅れで再起動成功。予定の半分しか生産できませんが何とか終了
 食品原料は仕込みを済ませると何時間か以内に使い切らないと廃棄処分しないと行けません。
 原料がウン万円。廃棄費用もウン万円と莫大な損害になります。
 ウン千円の部品はいざというときのお守りみたいなものです。
 
 そして何より「絶対にあきらめない、必ず直すの信念です」
 10年くらい前 11時にトラブルが発生し、大阪まで専用部品を調達に走り、鉄工所のおやじに
無理言って溶接して頂いて15時間後の夜中の2時に修理完了、製造終了が明け方の4時 といった経験もあります。  かなり厳しい業界です。

 ちなみにこんな事が1年に2~3回くらい起きます。そのおかげで、私はすっかり神経質でやせてます。 
 わたしの一番のお気に入りの映画は「Uボート」です。その理由は
 一度ご覧いただければ苦闘の連続をご理解頂けると思います。


応援よろしくお願いします。

同じカテゴリー(お仕事)の記事
 かなり久しぶりです。 ラムネ屋社長 (2015-02-13 22:42)
 春ですねー (2012-04-02 23:30)
 冬でもラムネ屋 (2011-12-15 22:34)
 ひたすらごめんなさい (2010-04-21 23:12)
 夏はもう終わった かな (2009-08-06 23:04)
 工場の設備増強だよ (2009-05-31 22:34)

Posted by 鎌田 茂伸 at 23:46│Comments(0)お仕事
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。